2017年県知事賞 田中電子(株)
組織概要 

 所在地 : 千葉県習志野市実籾4-34-10

 代表者 : 代表取締役 田中 秀司

 従業員数: 123名(派遣含む149名)(2019年6月現在)

 業 種 : 携帯電話の販売(auショップ、PCサテライト運営)

<県知事賞受賞理由>

田中電子株式会社(以下貴社と表現する)は、昭和59年8月に船舶用音声信号処理装置(秘話装置)設計・製造・販売を行なう企業として創立し、昭和61年から株式会社に、平成になってからは、携帯電話代理店としての業務が主流となり、「PCサテライト店(NTTドコモ、au併売店)」をはじめとする店舗数を拡大してきました。その間、店舗の大幅縮減を余儀なくされた割賦販売への移行や、大手キャリアとの決別を経験し、より安定した企業体質を求め、財務における自社への高い目標を掲げ、その実現に向けてローコスト・オペレーションと経営資源の顧客接点(店舗)への集中投入、ドミナント出店によるチェーン展開がなされています。

2011年ごろからキャリアの運営代理店評価施策として、「多種目販売シート」や「総合指標」をはじめとした代理店の格付け制度が行われ、販売現場では取り扱い商材が多品目にわたるようになり、より高いスキルが求められ、代理店の選別の時代に入りました。

こういった環境の中、2012年に社長である田中常務が入社、JQAフレームをベースにスタッフへの教育制度や、店長・マネージャーとのコミュニケーション方法に変革を加え、総合化時代に対応できる強い現場づくりに取り組んできています。「PCサテライト店」を計画的に閉鎖し、KDDIから委託され運営しているauの専門ショップと新たにUQスポット店を新設し、KDDIの携帯電話代理店としての業務を中心に展開しています。その中でも、経営理念に「社業をとおして心を育て、豊かで健全な社会の発展に貢献する」を掲げ、社員どうしのコミュニケーションを大切にし、笑顔で誇りをもって働ける企業風土をつくり、全社員がお客様・地域社会との良好な信頼関係を築き、携帯電話販売会社 業界NO1を目指しています。

その結果、キャリア運営法人評価において千葉県トップの成績を獲得、維持する組織となり、関東圏でもトップクラスの成績と評価されるようになり、選別時代における変化に対応した結果、2017年10月にはKDDIより販売代理店のお客様満足度、販売実績、人員充足度等を含む様々な実績を総合的に判断して首都圏エリアにおいてNO1代理店として表彰されています。

また、2009年に千葉県経営品質賞奨励賞、2010年に千葉県経営品質賞優秀賞を受賞しています。

 

今回の審査で特徴的な点は以下の通りです。

<進むべき方向性ならびに能力要件の明示と技術を支える人間力を育てる教育の仕組み>

経営トップは、社是である「社業をとおして心を育て、豊かで健全な社会の発展に貢献する」を掲げ、人と人とのコミュニケーション、顧客とのパートナーシップ、地域社会との調和および「全員の物と心の向上」を目指して活動を展開してきています。

セールススキルを向上するために、新入社員研修やスタッフ会でのロープレ教材とスキルチェックシステムを開発し、常に現場視点での見直しを行っています。また、笑顔でお客様を接遇するための店舗設計を積極的に進め、経営理念である「社員同士のコミュニケーションを大切にして、笑顔で誇りを持って働ける企業風土をつくり、お客様・地域社会との良好な信頼関係を築く」ことの実現に向けた人づくり・店づくりが行われています。この社員の人間力を育てる教育の仕組みと本部と店舗との強固な連携によって、KDDI首都圏エリアでのトップシェアを実現するとともに、競合他店からベンチマーキングを受けるほどの、ホスピタリティの高い人財を創出しています。

この企業風土の上で組織に必要となる能力要件が明確に示され、社長自らが講師となる寺子屋式のロープレ研修などが頻繁に行われ、技術的スキル要件とハートフルな人間性を育てる教育の仕組みが作られています。全社員に教育の機会を展開するための組織内での協力体制も構築され、新入社員向けの基礎知識や接客対応の基本スキルの教育を店舗任せにせずOff-JTで育てるための研修センターの設立など、継続して改善も行われています。第30期においては過去最高益を更新しています。日々の業務を通じて、笑顔と信頼、やる気のあるスタッフがかもし出す店舗の雰囲気に一部で顧客のファン化も見られ、財務状態と組織の状態の連動性が見られる状態が形成されつつあると判断しました。

 

【キャリアの力を最大限に引き出す緊密なコミュニケーションと信頼関係の構築】

 成熟しつつある携帯電話業界において、代理店というビジネスモデルはキャリアニーズに対する一段と高いパフォーマンスが求められています。キャリアの動向・意向をより実現するために、キャリア担当のマネージャー会の出席を月1回から週1回に増やすなどキャリア接点を強化することで、業界内でも珍しいほどの頻度で情報交換が行われ、いち早く業界情報やキャリアの支援・動向を把握し戦略に反映するなどコミュニケーションの成果を活かすことができています。またエンドユーザーにおいては、お客様一人ひとりにあわせたハートフルな対応により意見やニーズを収集しています。クレーム・苦情に関するお客様対応報告書やヒヤリハット報告書から定性的な情報を本部で吸い上げ、LINEワークスを使って素早く全社に展開した上で朝礼を通じて浸透させるなど、再発防止へとつなげています。これらの取り組みにより、エンドユーザーのNPS評価による満足度を向上させ、キャリアの求める要求に応えることでキャリアからの高い評価を得ています。

売上を達成することでよりキャリアとの密接な関係をつくり、キャリアとWIN-WINの関係を構築することでより効果的・効率的に顧客価値創造のプロセスを導き出すという相互のサイクルは模倣困難性の高い仕組みであり、この仕組みを全社に展開し日々改善が図られていると判断しました。

 

【独自能力であるホスピタリティの高い価値提供を支える店舗運営サポート】

本社では、キャリアとの緊密な関係構築を行う一方で、各店舗における顧客接点の最大化に向けた店舗運営をサポートする仕組みを構築しています。店舗で主となる販売活動においては、お客様の顕在ニーズを把握するための受付シートや独自のチェッカー制度を開発し、個々のお客様に対する商談ストーリーを作ってから接客にあたることを可能にしています。

店舗スタッフが安心して販売活動に専念するために双方向インカムシステムを採用し、本社側で各店舗の状況を確認し、店舗での危険回避やスタッフの要員サポートもタイムリーに行われています。また2ヶ月に1度の店舗巡回による運営監査では、常時勤務している店舗スタッフでは気づかない点の指摘を受けることにより店舗設計や店舗運営のタイムリーな改善が常態化しています。この店舗巡回についても担当を店長経験者に変えたことでより現場感のある監査に進化しています。

各店舗での販売活動以外の時間を最小化するために、販売管理部では商材毎の個人別獲得数や個人別成績の集計などを行い、POSシステムを導入することで店舗での経理業務・受発注業務について本社で一元管理し適正在庫管理も実現しています。またLINEワークスを活用した情報展開や情報共有の仕組みづくり、人材開発部でのビジネスパートナーによる多種目商材や重要商材に対する営業サポートなど、本社を支援プロセスと位置付けて日々改善しながら多くのことに取り組んでいます。

これらの綿密な店舗運営サポートが、マニュアルだけではできない店舗スタッフの高いホスピタリティを実現しています。この高いホスピタリティの発揮とキャリアとのコミュニケーションによる良好な関係構築によって、キャリアの力を最大限に活用しながら総販売数を拡大することで、NPS指標によるエンドユーザーの高い満足度とキャリアからの総合指標・多種目指標などによる高評価を実現しています。

これらのことは、ビジョンの浸透により本社と現場の戦略の融合と現場のスタッフの顧客接点時間の増加を可能にしており、顧客に高いホスピタリティを提供する環境を常に改善する仕組みが構築されていると判断しました。

 

【中長期的目標の具体化とそのもとでの戦略の方向性の明確化】

風通しの良い組織風土のもと貴社の価値観にあった人材を採用・育成し、社員が人間味あふれる対応を行うことで高い顧客満足度を得ています。それによりキャリアからの信頼を得て協力体制が構築された中で、単年度の計画や期中の計画見直しについてはスピーディなサイクルでの実行が出来ています。

一方で貴社としての中長期的な目標の具体化が見受けられず、取り組みへの振返りも短期スパンでの振返りしか行うことができていない状況にあります。

各達成目標と実績を振返り、その結果がどう事業成果に結び付いたかを分析して課題を抽出していますが、中長期的な目標の不明確さから、振返りに関しても単年度での改善を生むにとどまっている状況にあると考えます。将来に向け、貴社にとって必要になる能力要件や投資計画なども不明確になっているように見受けられました。

組織の今後の更なる発展を考えた場合、貴社の中長期的なありたい姿を明確にし、その実現に必要となる能力要件や投資計画を想定した上で中長期的なゴールを見据えたマイルストーンを描き、それらをもとに各取り組みの振返りを行い中長期的視点に立った改善を進めていくことが望まれます。

 

 

 

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